使用ライセンスなどで使用を制限せず情報をオープンにして、世界中の開発者が情報交換をしながら技術を高めていくOSS(オープンソースソフトウェア)の世界。石田は「GoBGP」というOSSの開発を通して、世界中の利用者とコミュニケーションを築きながら、日々の研究に励んでいる。
「GoBGP」はインターネット上でデータがたどる経路を制御する「BGP」というプロトコル(通信のための手順)を使いやすくするために生まれたソフトウェアだ。「GoBGP」は「BGP」の拡張を実装した形でネットワーク上に常駐し、インターネットの流れをよりスムーズにする役割を担っている。
「今日ではネットワーク上の技術はどんどんオープン化が進んでいますが、世界中の利用者の声を聞いて『GoBGP』をもっと進化させ、より価値の高いOSSにしていきたいと考えています」
石田がそう話すように「GoBGP」には世界のネットワーク技術者の期待が集まっている。
人との交流を重ねていくことで
切りひらかれていく未来
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ソフトウェアイノベーションセンタ
石田 渉
Research Develorer
「オープンソースソフトウェア」とは開発元がライセンス料などでビジネスを行うのではなく、ソースコードが無償で世界に公開され、利用や改良などが許可されているソフトウェアのこと。
石田は世界中の開発者と切磋琢磨していくOSSの世界に手応えを感じつつ、NTTの世界的プレゼンス向上に大きな貢献を果たしている。
01.インターネットの経路制御をスムーズに
02.Personality
人に会うことで刺激を得る
「OSSの開発はわくわくする」
石田は楽しそうに微笑みを浮かべながら、そんな風に話す。学生時代にNTTのOSS研究者の講演を聴き、そのスケールに魅力を感じNTT R&Dへの就職をめざしたという。入社後は「Ryu」というOSSの開発に携わり、世界中の人々と交流しながら、機能の追加などを行った。刺激にあふれるコミュニケーションの中で、「次は何をやろう」というわくわくを感じることも多かったが、同時にネタが切れてしまい「やることがなくなったらどうしよう」という不安を感じることもあった。そう不安を打破するために石田は「人に会う」ことを選んだ。
「実際に人に会い、言葉を交わすことで、社会にどのようなニーズがあり、どんな技術トレンドがあるのかをリサーチしていきました。入社前に想像していた以上に人に会いました」
今も石田は自分で研究会を主催するなど、積極的に人との交わりを深め、刺激を得ながら「GoBGP」の開発に励んでいる。
PROFILE
- 石田 渉
- 2013年入社。海外でのカンファレンス参加でバックグラウンドの異なる人と交流し、刺激を受けることも多い。
※記事本文中の研究所名や社員の所属組織などは取材時のものであり、
旧研究所名の場合がございます。