IOWN総合イノベーションセンタに所属する倉林はテスト自動化や自動プログラミングなどの研究に取り組み、新しい時代に向けたソフトウェア開発の効率化をめざす。
「DXへの取り組みが拡大する中、プログラミングは重要なスキルになってきています。非プログラマであっても業務の中にプログラミングを取り入れることで、業務の自動化や分析等を実現し、生産性を飛躍的に向上できます。そこで私は、非プログラマでも機械と対話をすることで簡単にプログラムを作成可能になるための研究をしています。具体的には、人がプログラムによって自動化したい作業の一例を示すと機械がそのプログラムを自動生成する技術です。プログラムの挙動を確認し、意図と異なる個所があれば例を修正して再度機械に与えるといったプロセスを繰り返すことで所望のプログラムを作成できます。人はプログラムの中身を見ずにその実行例のみを確認、修正すれば良いため、非プログラマであっても容易にプログラムを作成することが可能です。
一方でこの技術を実用化するためには大きな課題があります。それはプログラムの生成において、機械は無数に存在するプログラムの候補の中から目的のプログラムを探索する必要があるため、多くの時間がかかることです。人と機械の対話的なプロセスの中で、機械側のレスポンスが遅いことは人にストレスを与え、対話の効率を著しく落とします。そこで私はこの探索プロセスにおいて、過去に生成したプログラムの探索情報を適切に再利用することで、最大約5倍の高速化を実現し、効率的な対話を実現しました。
本研究をさまざまな事業部に適用することで、社内のDXを促進していきたいと考えています。」
世の中の人間全員が
プログラマとなる未来をつくる
- #Iot/AI
- #機械学習
- #ソフトウェア工学
- #IOWN総合イノベーションセンタ
IOWN総合イノベーションセンタ
倉林 利行
Research Develorer
プログラミングには高度な知識が必要で、現状では誰もが行えるものではない。そんなイメージがあるかもしれないが、今日においては、非プログラマであっても業務にプログラミングを取り入れることで、業務の自動化や高度な分析などを実現し、生産性を飛躍的に向上させる機会が増加している。倉林は誰もがプログラミングを行い、機械と人間が協働する未来を思い描く。
01.Technology
非プログラマのプログラミングをAIで支援
02.Personality
小さな困りごとにも使えるように
「人と機械が協働することで簡単にプログラムをつくることができる世界を実現したいと思っています」
倉林はそのような想いを語る。機械が苦手な部分を人が補い、人が苦手な部分は機械が補う。そうすることで「世の中の人間全員がプログラマ」となって、仕事だけではなく日常生活における生産性も飛躍的に向上できるのではないか、そんな日を思い描くという。
「例えば『自分の興味のある話題のみを毎日ネット上から収集したい』とか、『一日のスケジュールを最適化したい』とかそういうちょっとした日常の要望というのはたくさんあると思います。人と機械が協働することでそうした小さな困りごとにも柔軟に対応できる世界を実現していきたいですね」
PROFILE
- 倉林 利行
- 2014年入社。大学時代はロボット工学を研究。事業と連携し得るNTT研究所の多様な研究領域に魅力を感じて入社。
※記事本文中の研究所名や社員の所属組織などは取材時のものであり、
旧研究所名の場合がございます。