篠塚は宇宙環境エネルギー研究所において、経済学のモデルを用いた評価の研究を行っている。
今後、NTTグループの技術を筆頭に、さまざまなICTの進化が私たちの暮らしを快適にしていくことが予想される。そうした中で、環境負荷を減らし、社会を持続可能なものとしていくためには、ICTが社会にどのような影響を与えるのかを明らかにしていかなければならない。
「これまでも単体のICTサービスや技術が社会にどのような影響を与えるかについては、それぞれの場所でさまざまな検討がされてきました。しかしマクロな視点に立って、ICTトータルでどんな影響があるかについては、目立った研究がなされてきませんでした。そこで私は経済学のモデルに対して、ICTサービスによる産業間の取引や家庭の需要の変化を入力して、将来の日本全体のCO2排出量とGDPを計算しています」
ICTの進化を牽引すると同時に環境負荷低減・経済成長の両立をめざすことがNTTグループとしての使命であり、ICTでより良い世の中をつくることがNTTグループのESG経営にもつながる。篠塚の研究が未来社会の設計に大きく貢献していくことになる。
ICTが日本社会に与える
影響を可視化する
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宇宙環境エネルギー研究所
篠塚 真智子
Research Develorer
NTTで経済学を扱っている研究者がいる。
進化するICTが環境負荷を減らし、持続可能社会を実現する、
そんな未来を導きだすために篠塚は研究に励む。
01.Technology
ICTが経済や社会に与える影響を導き出す
02.Personality
環境保全と経済成長、
楽しい暮らしに貢献したい
ICTサービスの社会に対する影響をマクロに捉える篠塚の研究成果は、学会などでもしばしば大きな反響を得ているという。
「宇宙環境エネルギー研究所での研究は環境という切り口を通じて、広範な領域を対象にしています。私の研究は“NTT R&D=理系”というイメージには当てはまっていないかもしれません。けれど社会科学分野の研究も、これからの社会を構築していくためには不可欠です。広い視点で持続可能なICT社会づくりに貢献していける研究所での取り組みに、とても魅力を感じています」
まずは日本全体の未来シナリオを描き出すことで、これからの社会づくりに貢献していきたいと篠塚は今後の目標を語る。
「これからは、ICTの発展が地球環境保全と経済成長、さらには人々の楽しい暮らしを促していくモデルを確立したいと思っています。ICTは人々の行動を大きく変化させるツールです。そのツールを通じて、未来がより良いものになるように。今後も、新しいICT社会の設計に貢献していきたいと思っています」
PROFILE
- 篠塚 真智子
- 2015年入社。ICTの進化が人々のライフスタイルにどのような影響を与えるのか、低環境負荷かつ人々が楽しく暮らすにはどうしたらいいのかが今の関心事だという。
※記事本文中の研究所名や社員の所属組織などは取材時のものであり、
旧研究所名の場合がございます。