学術的貢献度が高く、
社会ニーズにも応えられる
自然言語処理技術を提供していく
庵 愛人間情報研究所
「日常で得たヒントを活かしながら、より良い研究を求めていきたい」。
深層学習技術の進展により高い注目が集まっている自然言語処理の領域で、
庵は将来のサービス展開を見据えながら、自身の個性や特長を活かした挑戦を重ねていく。
自らの技術をサービスに組み込んでいきたい
大学ではシステム情報科学研究科に所属して、自然言語処理を用いた文章評価について研究していました。今は深層学習を用いた自然言語処理の研究が一般的ですが、私が在学していた頃はルールベースの自然言語処理などを学んでいました。当初はIT系の一般企業への就職を考えていたのですが、NTT研究所出身の大学の指導教員から「研究職が向いていると思うよ」「庵さんに合っている会社だと思うからチャレンジしてみたらどうか」とアドバイスをいただきました。たしかに、NTTであればグループ会社を通じて自分が研究した技術をサービスに組み込むこともできそうだと思い、当社を志望しました。 入社してからは、自然言語処理を中心に研究を行っており、国際会議に論文を投稿したり、実際のサービスへの導入に関わる研究開発を行っています。
複雑な処理が必要な文章執筆支援技術
現在はメディア処理全般を扱うグループの中で、主に自然言語処理技術の研究開発に従事しています。特に最近では、複数の観点を同時に添削できる文章執筆支援技術の研究に注力しています。従来の文章添削技術は、文法の誤りや短い文にのみ対応することができました。しかし、私はより広範囲で正確な文章を添削する技術を完成させることをめざしています。
この目標を達成するには、さまざまな要素を考慮する必要があり、非常に複雑な処理が求められます。例えば「ここがこの接続詞になるのであれば、このあとの述語のこの部分はこういう表現にならなければならない」など、関連づけて見なければならない箇所が膨大になります。しかし、この技術が完成すれば、多くのサービスに貢献できると考えています。より効率的に複数の処理を行い、シンプルに利用できる文章添削技術を確立することをめざしています。
日常の中にあふれるヒントを形に
研究へのアプローチは個人によって異なると考えますが、私の場合は「どんなサービスが必要であり、それにはどんな技術が必要か」という視点から研究のヒントを得ることが多いです。入社した当初は、周囲の方々が優秀で自分が取り残されてしまうのではないかという不安もありましたが、実際には優秀な方々が多い中であっても、皆さんが親切でお互いにフォローし合う雰囲気があり、自分だけができないという不安は払拭されました。
このような環境の中で、自分のアイデアを研究に結びつける機会を多く得ることができ、自由な雰囲気で仕事に向き合うこともできていて、充実した研究が行えていると感じています。私は学術的な貢献と実応用のバランスの取れた研究者になりたいと思っており、日常で得たヒントなどを活かしながら、より良い研究を追求していきたいと考えています。
- 庵 愛
- 2019年入社。身近な所属の男性社員も育休を取得するなどワークライフバランスを保ちながら研究に励む姿を見て、男女関係なく、自由な働き方ができる会社だと感じているとのこと。休日は、学生時代の友人とご飯を食べに行ったり、家でゆっくり過ごすことが多い。
※記事本文中の研究所名や社員の所属組織などは取材時のものであり、
旧研究所名の場合がございます。