国際標準化活動を通じて、
未来をつくることに醍醐味を感じる
永徳 はるかネットワークサービスシステム研究所
物理学研究の道から就職後は国際標準化業務の担当に。
世界の研究者と膝を交えつつ未来の技術を固めていく業務に携わりながら、
永徳はどのようなことを感じているのか。
その言葉からは、成長を実感できる仕事への取り組み姿勢がうかがえる。
幼い頃から知的好奇心が一番のエネルギー
幼い頃から宇宙の話や生物の仕組みなど、物理学に関心を抱き、大学ではコロイド粒子のダイナミクスの3次元的観測を行う研究に取り組んでいました。マクロの世界に対しても、ミクロの世界に対しても「これはどうなっているんだろう?」という知的好奇心を抱くことが多く、さまざまなことを学びたいと思っていました。
就職活動を始めた頃、採用説明会でお会いしたNTT研究所のキャンパスコミュニケータの方が魅力的で、まず人に惹かれて当社に興味を持ったことを覚えています。その後、NTT研究所が遠い未来を見据えた研究だけではなく、NTTグループの各事業会社と協力した研究開発も盛んに行われていることを知りました。大学では実用化から少し縁遠い分野を研究していたこともあり、自分の研究開発の結果がタイムリーに世の中の役に立つところを見てみたいと思い、NTT研究所に入社することに決めました。
国際標準化協議の担い手として
入社後は大学時代の専攻とは異なる通信関連技術の分野に取り組んでいます。最初は物理学に関連する研究にも興味を持っていましたが、新しい領域に挑戦したいという気持ちから心機一転しました。
具体的に入社1年目から携わっているのは、通信に関する技術の標準化業務です。最初は国内で進行中だった固定電話網の移行(PSTNマイグレーション)に伴う事業者網間インタフェースの国内・国際標準仕様の策定に従事しました。その後、企画業務などを経て、現在はXRなどの没入型端末を用いたリアルタイムコミュニケーションをキャリアグレードのサービスとして提供するために必要なネットワークアーキテクチャや信号プロトコル、関連APIの検討など、移動体通信システムの国際標準仕様の検討や策定を行う国際機関(3GPP)における標準化を担当しています。
ワクワクを感じながら、未来をつくれるように
入社2、3年目のある時期、偶然にも自分が単独で担当者になる機会がありました。短期間で何十件もの書類を作成し、各社との照会や交渉、再調整など、時間を切り詰めて対応する作業を行いました。この経験によって、「標準化は何が重要であり、どのような意義があるのか」ということを身をもって実感することができたと思います。
現在、担当しているXR関連のアーキテクチャについても、細かな仕様にまで海外の企業担当者との高度なやり取りを行っています。その際、「この規格が導入され、利用シーンが生まれたらどんなサービスが実現するのか」と想像することで、自分自身が未来を創り出しているようなワクワク感を味わっています。研究者の視点を活かしながら、交渉・議論スキルの大事さも身に沁みて感じることができる現在の経験を活かし、今後はより広く深い知識を持って標準化を先導していけるような研究者をめざしていきたいと考えています。
- 永徳 はるか
- 2017年入社。海外の研究者たちと盛んに議論を行う中で、学生時代の研究によって培った忍耐強さや、サークル活動で養ったコミュニケーション力が今の仕事に活きていると話す。本音で議論しあえる関係をつくる上で、積極的なコミュニケーションを大切にしている。
※記事本文中の研究所名や社員の所属組織などは取材時のものであり、
旧研究所名の場合がございます。