超高速大容量長距離光通信向けのデジタル信号処理装置の研究開発が入社以来、岡本の担当する分野だ。光通信は回線の容量を増やし、一度に多くのデータを送信できるようにすると長距離での安定性を欠いてしまう。しかし今後、AIやIoTの普及や動画品質の向上などによりデータの伝送量が飛躍的に増加することが予想され、光通信の長距離大容量化は社会的課題となっている。岡本が携わるプロジェクトも外部企業と協働するオープンイノベーションで行われており、いわばナショナルプロジェクトとしての研究開発活動に取り組んでいる。現在は、伝送距離100キロ程度のデータセンタ間ネットワークから1万キロ超の海底ネットワークまでの広範な領域を100Gbps超の伝送速度に置き換えるための開発を行っている。
「デジタルコヒーレント技術を用い、ネットワークの特性ごとに最適な伝送方式を選択して、得られる情報量を効率良く増やすためのシステムの設計や、伝送路で生じる歪みの補償技術の研究開発を行っています」
ここだからこそ味わえる
濃密な時間
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未来ねっと研究所
岡本 聖司
Research Develorer
世界をリードするNTTの光通信技術。
今や国家プロジェクトとなった新しい高速大容量の新通信網の実現に向けて、
岡本は独創性に富んだアイデアと技術で世界をリードする。
01.Technology
大容量通信という社会的課題を実現
02.Personality
理論と実践を組み合わせて未来へ
岡本らが参加する光通信技術の研究は世界からの注目度も高い。岡本も、年に2回行われる国際的な学会では常に新しい方向性を打ち出す研究を発表しようと日々の研究に力を込める。
「世界との競争に勝つためにもインパクトのある結果を期限までに残さなければなりません。幸いNTTは周囲に優秀な方が揃っているので、壁にぶつかった時には、同僚とディスカッションを行うことでひらめきが生まれることもよくあります」
他人がまだやってない技術に挑戦していきたいと話す岡本は、今、NTTで濃密な時間を過ごせていると話す。
「今はさらなる高度文明社会の土台を自分が手がけているのだと思うと、すごくやりがいを感じます。NTTには大容量伝送に関してこれまで世界トップレベルの研究成果を生み出してきた実績や知見があるだけでなく、世界中に展開している精緻な信号処理用LSIチップをつくり出せる技術やノウハウも揃っています。この環境だからこそ、理論と実践を相互に連携させながら、未来を切りひらいていけるのだと感じています」
PROFILE
- 岡本 聖司
- 2011年入社。常にアイデアに対してどん欲で、他人がまだ考えついていないことを先んじて提案できたときが一番うれしい瞬間だと言う。
※記事本文中の研究所名や社員の所属組織などは取材時のものであり、
旧研究所名の場合がございます。