世界中のネットワークサービスが多様化し、通信量が飛躍的な増大をつづける今日、ネットワークセキュリティは国や個々の立場を超えて、大きな課題となっている。ネットワーク装置や基盤技術は世界的に標準の規格を定め、その上で技術競争を行っていくことが発展のカギとなっているが、セキュリティ領域でもその効果を高めていく上で国際的な連携が大きな意義を有している。風戸はネットワークとセキュリティの領域でコア技術の確立に取り組みながら、国際会議・標準化会合・OSSコミュニティなどでNTT研究所の代表として発表や議論を主導し、グローバルでの活動にも大きな貢献を果たしてきた。
「現在はネットワークイノベーションセンタを中心にOSS開発を進めている『OpenStack Tacker』によるネットワークオーケストレーションの技術開発に取り組んでいます。具体的には、専用装置で実現していたネットワーク機能をソフトウェア仮想化・汎用的なサーバ機器でより柔軟にサービス提供するために、ネットワーク仮想化技術のセキュリティ向上やNFV(Network Function Virtualization)の運用ライフサイクル自動化を標準仕様に沿った開発を進めることで、多くの人が使いやすいネットワークを実現しています。ネットワークの仮想化における新たな認証方式の導入やセキュリティ制御の仕組みを提案・開発することで、NFV標準仕様に準拠したOSSのセキュリティ機能拡張によるネットワークの安全な運用を実現し、将来的にはIOWN構想に必要なネットワーク基盤やそれを支えるセキュリティ技術への貢献もめざしています。最先端のネットワーク技術の研究開発を率いる研究所として、OSS開発やNFV標準化のグローバルプロジェクトに携わっています」
安全で快適な
ネットワークインフラ実現を
めざして、世界の舞台へ
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ネットワークイノベーションセンタ
風戸 雄太
Research Develorer
研究者あるいは研究グループ個々の努力の積み重ねで技術の進歩は図られていくが、一方で社会的な技術の活用を見据えた場合には国や組織の枠を越えた連携によって標準の仕様を定めていくことが不可欠となる。より安全かつ快適なネットワークの実現に向けて、風戸はOSS(オープンソースソフトウェア)に関わる世界のさまざまな研究者・開発者とともに研究開発に向き合っている。
01.Technology
研究開発を通じて
国際的な協調活動に貢献
02.Personality
誠実であることで
ミッション達成に近づく
風戸らが研究開発を通じて、ネットワークに仮想化基盤技術を導入していくことで、ネットワーク運用の高度化、障害発生時の早期復旧、セキュリティ向上による安定した通信サービスの提供など、さまざまなメリットが実現していく。組織の枠を超えながら国際的に連携を果たしていく中で、風戸が大切にしているのは「誠実であること」だと話す。
「研究や開発などで関わる多くの人々に対して、つねに『誠実』であることを心がけながら連携・協業に努めています。特にネットワークイノベーションセンタでのミッションはIOWN構想の具現化であり、ネットワークの技術開発・実用化開発フェーズのプロフェッショナルとして世界中の研究者・開発者との協業が求められています。NTT研究所内でもチームワークを大切にしながらIOWN構想の実現への歩みを進めていますが、社外においてもネットワークの先にいる人々のことを想像しながら、より良い研究成果の実現をめざして、力を合わせながら研究開発に取り組んでいこうと考えています」
PROFILE
- 風戸 雄太
- 2015年入社。社会の基盤を支える仲間・プロ意識・技術力・チームワークが揃っているのがNTT研究所の魅力だと話す。
※記事本文中の研究所名や社員の所属組織などは取材時のものであり、
旧研究所名の場合がございます。