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2025年3月までに四年制大学・大学院修士課程・大学院博士課程を卒業(修了)見込みもしくは卒業(修了)済みの方が対象となります。
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災害からのいち早い
ネットワーク復旧を実現する

  • #ネットワーク
  • #環境適応技術
  • #ネットワークサービスシステム研究所

ネットワークサービスシステム研究所

Wang Zhao

基礎研究からネットワークを支える想い×
NTTグループの使命

今や通信網は、地域や個人、社会をつなぐ重要なインフラとなっている。そのため日本に災害が襲った場合には、ダメージを受けた基地局やケーブルをいち早く復旧し、地域に社会性を取り戻していく必要がある。いち早い通信網の復旧のために、どのように人員を配置し、燃料や資材といったリソースをどのように分配するのが最適なのか。
拙速な実用化ではなく、基礎領域にしっかりと向き合える環境で、Wang Zhaoは、深層強化学習を用いて災害時のシミュレーションと復旧プランの最適化の研究に取り組んでいる。

01.深層強化学習で災害からの復旧プランを

「研究者として大切なのは自由な発想をすること。それがなければ良い研究成果を残すことはできません。そのためには自分らしさを発揮できる環境であることが、とても大切だと考えています」
そう語るのは、大学の学部生まで中国の学校で学び、日本の大学院に進学して研究に取り組んだ経験を持つWang Zhaoだ。Wangが、自分らしさを活かして研究する場所として選んだのがNTT R&Dであり、そこで取り組んでいるのが深層強化学習を災害復旧に有効に活かしていくための研究だ。
Wangの研究は、今後、起こりうる災害などの事態に備え、ニューラルネットワークを用いて、リソースをどのように分配して活動にあたると、いち早い復旧が可能になるのかを見つけ出す技術の追究である。
災害復旧にあたっては、被害状況のみならず、どこでどのぐらいエネルギーを使用するか、どのぐらいの被災者がいて、どれだけの通信ニーズが発生するのか、利用者が殺到すればすぐに輻輳が発生し通信品質が落ちてしまうなど、考慮すべき要素が非常に多い。リソースの分配などの組み合わせ問題の解決には、従来数学的手法が用いられてきたが、あふれ出すほど多くのパラメーターを従来の手法でリアルタイムに考慮するのは難しいのが実情だった。
「災害状況にはさまざまなケースが想定されます。それを従来の最適化手法で扱うのは難しい。そこでニューラルネットワークを用いた深層強化学習で計算することによって、現場がすぐに復旧に向けてアプローチできるような計算結果を示すことが可能になると考えています」

02.通信サービスを維持していくことが
我々の使命だ

NTTには過去の通信事例に関するデータが非常に多く存在する。Wangの研究ではNTT西日本と協力して、同社の通信ビルに関する情報を収集し、災害シミュレーションに応じたビルのランクづけなど実地に根ざした研究を行っている。実事業に根ざしたデータを扱える環境で、先端の深層強化学習の研究を進められることにWangも強い手応えを感じているようだ。
「年に数回は、学会や国際会議で論文を発表できるように研究を進めています。ただ、学術的な面にとどまらず、この研究を実用化へ結びつけることも大切です。実用化を想定していなければ、ただの学術研究で終わってしまいますから。学究的な側面と実用化を見据えたエンジニアリングの両面が大切だと思っています」
Wangの研究するアルゴリズムは災害時だけではなく、通常時のメンテナンス業務に活かすことも見据えられ、大きなメリットが期待されている。
「通信は社会インフラです。通常時はもちろん、災害時にも企業や病院、家族などへの連絡が非常に大切になります。それだけに通信サービスをいち早く復旧させることは私たちの使命だと考えていますし、そこに貢献できればうれしく思います」

03.プレッシャーも努力の源になる

博士課程に進学した頃、長期に安定して基礎を研究できる環境へ進みたいと考えるようになりました。しかし、私が携わってきた深層学習の領域は、すぐにビジネスに転用することが求められることが多く、腰を据えて基礎的な研究に従事できる環境が少ないと感じていました。そんな中でNTT R&Dには、さまざまな分野・レイヤーでの研究が盛んで、総合的な研究が認められるフィールドがあると知ったのです。私の大学院時代の指導教員がNTT R&D出身だったこともあり、「良いところだぞ」と勧めてもらえたことも、NTT R&Dを選ぶきっかけになりました。
入社後、いざ研究活動を始めてみると、周囲のレベルの高さに驚いたのを覚えています。トップカンファレンスへ投稿している人も多く、普段の何気ない会話のディスカッションのレベルも高く、とても刺激になります。皆さん、毎年素晴らしい成果を出しているので、正直プレッシャーを感じることもありますが、その重圧が努力の源にもなっていますね。
また、国際会議では、中国の学部時代にともに学んだ友人と顔を合わせる機会も多いですが、最先端の会議に出て、堂々とそこに互して自らの成果をアピールできる環境にいることも、研究者としての自分に大きなエネルギーを与えているのだと思います。

PROFILE

Wang Zhao
2018年入社。中国人の両親を持ち、アメリカで滞在し、3カ国語を操り日本で活躍するWangは、まさに"cosmopolitan"とでも言うべき価値観を持つ。NTT R&Dの自由な雰囲気が自分に合っていると感じているという。「自由な研究の雰囲気を求めたい、最先端の研究者になりたい、最先端の研究者と一緒に働きたい、長期的に研究テーマをやり続けたいなら、ぜひNTT R&Dに来てください!」

※記事本文中の研究所名や社員の所属組織などは取材時のものであり、
旧研究所名の場合がございます。

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